情報通信技術(ICT)の活用による医療の質と効率性の向上
『未来創出HITOプロジェクト』が稼働しました!
ひとがよりよく生きるための、医療のあり方を考える。
「いきるを支える」医療こそ、私たちHITO 病院が目指す医療です。
当院では、市民の皆さまが住み慣れた町で、健康に暮らしていくために「いきるを支える」未来を創り出すための 取り組みとして『未来創出HITOプロジェクト』を立ち上げました。
プロジェクトでは、「HITO」の視点を踏まえてICT(情報通信技術)の利活用を推進し、医療の質と業務効率の向上を図るプロジェクトです。その第1段として
・歩くを支える『統合型歩行機能回復センター』の開設
・ICTを活用した医療従事者の働き方革命の推進
を実施しました。
厚生労働省も推し進めるICT化
平成28年3月の産業競争力会議の資料でも「医療情報の標準化や共通ICTインフラを整備し、医療の質と効率性の向上を図ることで、世界に誇る保健医療水準を維持するとともに、健康で安心して暮らせる社会を実現する。」とされています。
「未来創出HITOプロジェクト」を展開することによる効果
今後の保険医療は、「保険医療2035」にもあるように、診療支援機器や看護機器、介護機器、ロボット開発が行われ、遠隔診療や自動診断が汎用化されるなど、大幅な医療・介護の効率化や省力化が進みます。
私たちは、医療の分野にICTを活用した「未来創出HITOプロジェクト」としてまず2つのプロジェクトを展開し、医療サービスレベルの向上と業務効率化の推進を目指します。そして、患者さまや利用者さまが、この地域においても安心して適切な医療が受けられるような体制を構築していきます。
また、医療従事者においては、情報共有と診療情報の入力や参照がより便利になることで業務の効率化が図られ、その分、患者さまへの診療や看護・リハビリテーションの質やサービスレベルを高めることが可能となります。
国内初!※全医師によるiPadを用いた実臨床データの参照・活用 開始(※当院調べ)
2016年12月より医師全員がApple 社のデバイス「iPad」を持ち、シスコシステムズ(世界最大のネットワーク機器開発会社)のWi-Fiネットワークを活用し、最適化(セキュリティ強化や負荷分散による途切れない通信化)をした上で実臨床データ検索アプリを診療の現場にて活用開始しました。
導入の背景として、医療の様々な現場の中で、医師が院内を移動しながら診療する必要性が増したことから、どこでもつながるネットワーク環境の整備を行いました。患者さまの高齢化が進み、疾病の慢性化や複合化の対応に、医師は専門外の知識も求められるようになったことから、診療ガイドラインや実臨床データをすぐに確認できる環境整備も急務となっていました。
病院の全医師が「iPad」を持ち、実臨床データを活用した診療を行うことは、国内初(※当院調べ)の事例であり、最新のICTを利用することでよりよい医療サービスを提供したいと考えています。実臨床データ検索アプリは、薬剤処方実績や入院後続発症の実態などの情報が確認 できる医師を中心とした医療従事者向けの実臨床データ検索サービスです。医療従事者にとっては、薬剤を選択する際や処方説明の際の一助となります。
導入計画検討中のアプリの一つである学術専門電子書籍サービスを活用し、「iPad」で、診療ガイドラインや論文の検索が行えることで、より適切な医療を提供することが可能になると想定しています。今後医師が持つ「iPad」には、よりよい医療サービスを提供するために必要なアプリケーションを検討・導入しながら、患者さまに質の高い医療サービスの創出に取り組んでいきます。
音声認識ソフトによる医療従事者の”働き方革命”
今までは、問診内容やカンファレンス(会議)・回診でのカルテ記載などを手で入力していましたが、話した内容がテキストデータに自動的に変換される株式会社アドバンスト・メディアの音声認識ソフト「AmiVoice®(アミボイス)」を試験運用しており、業務の効率化を図れるよう取り組んでいます。
音声認識ソフトによって、業務効率が向上し、今まで以上に診療や看護、介護などに時間をかけることができ、サービスレベルの向上につながることが期待できます。