耳鼻咽喉科は、脳と眼を除く首から上のすべての領域を診ることができるスペシャリスト集団です。 聴覚・嗅覚・味覚・平衡感覚などの感覚器のエキスパートであると同時に、摂食嚥下・音声言語・呼吸器などの機能と、それに必要な口腔・咽頭・喉頭・鼻腔の専門治療を行うことができます。
目や鼻と同様に感覚器のひとつである耳は、聴覚(音の情報を感知)と平衡感覚(バランス)をつかさどる器官です。耳は主に内耳・中耳・外耳に分類されますが、これらで起きた異常や病気を診療いたします。
内服や点滴の副腎皮質ステロイド薬による薬物療法が中心になります。
中耳腔(鼓膜の奥にある空間)に炎症が起きている状態が中耳炎です。ただし、その原因・病態は様々であり、主に急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎の4つに分類されます。
鼻や喉にいる細菌・ウイルスが、耳管を通して中耳へ感染すること
薬物療法(抗生剤の内服)、鼓膜切開
鼓膜の奥の中耳という空間に滲出液といわれる液がたまること
耳管の通りを良くするために去痰薬などの内服、鼓膜切開、鼓膜チューブ留置術などを行います。
副鼻腔炎やのどの炎症がある場合はそちらの治療も行います。
アデノイド肥大がある場合は手術による切除が必要な場合があります。
急性中耳炎を繰り返して起こしたり、難治性の細菌感染など
耳の洗浄、抗生剤の服用や点耳薬など
根治を目指す場合は手術(鼓室形成術)などが選択されます。
炎症や形態不全などにより、中耳内の換気がうまくいかず、外耳との気圧の差異から鼓膜が窪み、そこに耳垢が溜まること
手術による治療が必要です。内視鏡もしくは顕微鏡下手術で真珠腫の摘出と、真珠腫で破壊された耳小骨の連鎖再建を行う鼓室形成術という手術を行います。
手術治療が必要な場合は愛媛大学医学部附属病院などの手術ができる病院へ紹介します。
鼓膜を切ってたまっている水(浸出液)や膿を吸い出します。
鼓膜切開を何度も繰り返す場合には、鼓膜切開で空けた穴が閉じないように、換気チューブをはめ込みます。そうすることで中耳内が常に空気の出入りを維持することになり、水を貯めさせない状態にします。
通常は外来で麻酔をかけて行う手術ですが、幼児の場合は動かれると留置が出来ないため、入院して全身麻酔で手術を行います。当院では小児病棟がないため手術可能な病院へ紹介します。
局所の清掃、消毒、点耳薬
薬物療法、音響療法
難聴の原因となっている疾患があればそちらの治療を行います。
耳の中を観察して鼓膜の状況を確かめると同時に鼻やのどの炎症の有無もチェックします。それに加えて下記の検査を必要に応じて行います。
薬物療法、舌下免疫療法、手術療法
薬物療法、手術
鼓膜切開を何度も繰り返す場合には、鼓膜切開で空けた穴が閉じないように、換気チューブをはめ込みます。そうすることで中耳内が常に空気の出入りを維持することになり、水を貯めさせない状態にします。その間に中耳の粘膜が正常に戻るのを期待する治療です。
チューブは数ヶ月以上留置し、経過観察します。通常は外来で麻酔をかけて行う手術ですが、幼児の場合は動かれると留置が出来ないため、入院して全身麻酔で手術を行います。
圧迫止血、焼灼止血、手術
※出血が止まらない、出血量が多い場合、繰り返す場合は受診してください。
鼻・副鼻腔にも、乳頭腫などの良性腫瘍や、悪性腫瘍が生じることがあります。
手術
薬物療法
年に4~5回以上、反復する場合は手術
入院加療が必要です。
声の出しすぎ、喫煙などにより、声帯にポリープが生じたり、声帯そのものがむくんだような、ポリープ様声帯となることがあります。 長期間の喫煙により、声帯やその近くに、癌が生じることもあります。
薬物療法、手術療法
癌が疑われる場合、組織を調べる検査を行い、手術や放射線治療を行います。
リハビリ、手術
頚部には
甲状腺や唾液腺の腫瘍、のう胞性病変、頚部リンパ節の腫脹により生じます。リンパ節腫脹は感染による場合や、悪性腫瘍の転移によっても起こります。
CTやMRI、超音波検査(エコー)、細胞診や組織診
検査の結果により薬物療法、手術療法、化学放射線療法など
実際には、自分や周囲は動いていないのに、自分やまわりがぐるぐる回る、ふわふわしている、不安感、動悸、吐き気などを伴う症状のことを言います。 めまいは耳鼻科疾病から起こることが多い病気です。めまいでお困りでしたら、まず耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
めまい体操
内耳の内リンパ腔というところに水がたまることにより内リンパ腔が拡大すること
対症療法、生活指導(ストレスをためない、十分な睡眠、有酸素運動、水分摂取)
顔面神経麻痺は「顔がまがってきた」、「眼が閉じにくい」、「水が口からこぼれる」、「口の動きが悪くなる」など、顔の筋肉が動きづらくなる病気です。年間、人口10万人あたり50人ほど発症するといわれ、2割以上に後遺症が残ります。ですので、毎年ほぼ1万人づつ、顔面神経麻痺後遺症の患者数が増えています。
多くはウイルス性の神経麻痺が原因です。体内に潜伏しているヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により発症します。耳下腺腫瘍、耳の炎症、外傷、手術の後遺症などで麻痺を生じる場合もありますが、頻度はあまり高くありません。
ステロイド薬や抗ウイルス薬
一般的に治療には、神経炎を抑制する為のステロイド薬と、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬、神経に栄養を与える為のビタミン剤、末梢循環改善薬などを併用します。
高度麻痺かつ検査の結果によっては上記治療に追加して手術治療(顔面神経減荷術)を行った方が良い場合があります。その場合は愛媛大学医学部附属病院へ紹介致します。
キーポイントはできるだけ早期の耳鼻咽喉科受診
ウイルス性の顔面神経麻痺は発症からできるだけ早期に治療を開始した方が治る可能性が高くなります。もしも顔面神経麻痺かもと思ったら、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。