下肢静脈瘤専門外来

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下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)専門外来

下肢静脈瘤の治療は、日帰りの手術も可能です。

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは?

下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は足の血管の病気です。下肢とは足のことで、静脈瘤は血管(静脈)が文字どおりコブ(瘤)のようにふくらんだ状態のことをいいます。



下肢静脈瘤のメカニズム

血液が溜まった状態が毎日毎日、何年も続くと徐々に静脈の壁がひき延ばされて太くなります。さらに太くなると静脈はヘビのようにグネグネと曲がりくねった状態になります。 この静脈が曲がりくねった状態が「下肢静脈瘤」です。下肢静脈瘤は表在静脈に起こり、深部静脈にはおこりません。 下肢静脈瘤は見た目が悪くなるだけではなく、汚れた血液が足に溜まったり、静脈の中の圧力が高くなることによる炎症によって様々な症状が起こります。



下肢静脈瘤はこんな方にできやすい!!

  • 【性別】 女性に頻度が高い

  • 【年齢】 加齢とともに増加する。妊娠・出産がきっかけでできる人が多い

  • 【職業】 立ち仕事の方に多く、進行しやすい

  • 【遺伝】 家族に静脈瘤のある方に起こりやすい

  • 日本人の約9%に下肢静脈瘤があり、出産経験のある成人女性の2人に1人が発症するとされています。

    下肢静脈瘤の症状

    症状としては、足がむくむ、だるい、重い、火照る、などがあり、症状が重くなると、皮膚炎、湿疹、色素沈着、潰瘍などができます。 また、最近では静脈瘤にできた血栓が肺動脈を詰まらせてしまう恐ろしい「肺塞栓」「エコノミークラス症候群」の原因にもなるといわれています。



    診察から治療までの流れ

    初めて診察を受ける場合は、下のような流れで下肢静脈瘤であるのか、どのような状態なのかを確認します。


  • 問診・視診・触診:視診・触診にて足の状態を診ます。

  • 検査(エコー検査):血管エコー(超音波)検査が一般的です。他の超音波検査と同様に、外来で簡単にできる検査です。
      壊れている静脈弁の場所などをチェックします。

  • 診断・治療方針の決定:患者さま・ご家族様と話し合いの上で治療方法を決定します。

  • 術前検査:術前検査として採血及び心電図を行います。


  • 術後外来受診:外来診察に手経過観察を行っていきます。
  • 保存的治療

    圧迫療法は足全体を圧迫することによって、静脈の還流を助け、血液の循環をスムーズにします。弾性包帯や弾性ストッキングによって行います。
    医療用弾性ストッキングとは、伸縮性に富み、その圧により血流を助ける作用を持ったストッキングです。弾性ストッキングは、薬局などでも販売していますが、病院で受診し、的確なサイズと圧の弾性ストッキングを着用することで、高い効果を得ることができます。弾性ストッキングは、足のだるさ、むくみ、こむら返りなどにも大きな効果を発揮します。履くのが大変ですが、セルフケアができるという利点があります。下肢静脈瘤の予防、術後対策には、効果的な治療方法です。
    しかし、弾性ストッキングを着用することによって、下肢静脈瘤が完治することはありません。根本的な原因である血管の治療まではできないのです。あくまでも下肢静脈瘤の予防、進行の防止、術後の再発防止などのために用いられます。



    手術療法


    血管内焼灼術
    血管の中に、カテーテルを挿入し、高熱によって血管内腔を閉鎖して、逆流を止める治療法です。
    血管内を閉塞させるという点では、血管内レーザー焼灼術と同じであり、RF血管焼灼術も日帰り治療が可能です。RFは、レーザー治療より前から行われていましたが、逆流血管の閉塞率が低いという弱点がありました。その後、改良が加えられ、血管の閉塞率が改善し、保険適用レーザー(980nm)と同等になったため、2014年7月から保険適用になりました。
    RFの利点は、術後疼痛が少ない点ですが、欠点は大きくは2つあります。1つは、血管径の比較的大きなものは、レーザーに比べて閉塞率が低い可能性があることです。もう1つは、逆流部分が短い静脈瘤や不全穿通枝などへの焼灼が困難であるという点です。RFはレーザーに比べて、治療できる静脈瘤の適用範囲が小さいといえますが、術後疼痛が少ない点と手術時間が短時間であることから、今後の普及が期待されます。この度、ラジオ波(高周波)による血管内焼灼術が保険適用になり、当院でも導入し、治療環境が整いました。この治療は、30分程度の体の負担が少ない(低侵襲)手術を局所麻酔で行います。





    ストリッピング手術
    弁の壊れた静脈を、引き抜いてしまう手術です。
    足の付け根と足首の2か所を切開して、悪くなった血管の中に、手術用ワイヤーを通します。そうして、血管と糸で結び、ワイヤーを用いて、弁の壊れた静脈を引き抜いてしまいます。下肢静脈瘤の最もスタンダードな根治的治療として、100年以上も前からおこなわれてきました。下肢静脈瘤の中で、最も太い瘤を形成する伏在型静脈瘤に特によく行われた治療方法でした。以前は全身麻酔や、下半身麻酔(腰椎麻酔、硬膜外麻酔)で行われ、1~2週間の入院を必要としていました。
    その後、入院期間を短縮する医療機関が増え、4~5日の入院で治療が可能となり、さらに静脈麻酔やTLAという特殊な局所麻酔により、現在は日帰り手術を実施するところが増えています。ストリッピング手術は、伏在型静脈瘤に対する根治治療と定義され、血管内レーザー治療で対応できない大きな静脈瘤にも対応できる点で、とても有効な治療方法です。
    しかし、術後に痛みが生じたり、出血や神経障害などの合併症が起きるリスクが相応にあります。また、手術で加えられた傷の修復反応で血管新生が起き、その血管新生によって静脈瘤が新たに発生してしまう再発の形が最近では注目されています。





    硬化療法
    患部である静脈の中に硬化剤を注射して、皮膚の上から圧迫して血管の内側の壁をくっつけたり、血管を血栓で詰めてしまったりする治療法です。
    患部である静脈が閉塞すると、血管は退化し、やがて組織に吸収されて消えてしまいます。硬化療法は、注射による施術ですので、手術のような傷を残しません。体への負担が少ないのが特長です。治療時間も短く、初診の際でも治療を受けることができるほど手軽ですが、治療後数週間の圧迫が必要です。しかし、太い静脈瘤には有効ではない、再発率が高い、炎症後の色素沈着がしつこく残る、という欠点があります。
    最近はフォーム硬化療法という、硬化剤を空気と混ぜで泡沫化させて行う新しい方法が普及しており比較的大きな静脈瘤でも対応することができるようになっています。副作用として、硬化剤によりつくられた血栓が、静脈内を通り心臓から肺に流れてしまう可能性があるということです。
    そのため硬化剤の投与に関しては、経験の豊富な医師が慎重に投与量や投与部位を選択する必要があります。軽症で細い静脈瘤の治療だと、さほど問題はありませんが、重症および大きな静脈瘤の場合、硬化療法後に相当の血栓が発症して炎症が誘発されることが多く、その後、色素沈着が多かれ少なかれ必発します。 また、多毛・潰瘍を発症してしまうこともあります。それらは時間がかかりますが通常は回復します。





    高位結紮・瘤切除
    静脈瘤の発生源である鼠径部の深部静脈と表在静脈の移行部を縛って、血管を部分的に切除し(取り除き)、断端を縛って(結紮)、血液の逆流を止める治療方法です。
    局所麻酔を施した後、足の付け根部分を切開し、患部である静脈を長さ5cmほど取り除いて、断端を縛り、静脈瘤を作っている血管を切り離します。切開部分の傷は、数㎝と小さく、局所麻酔で行うため、日帰りによる治療が可能です。しかし、高位結紮術のみの治療では、下肢静脈瘤が十分に治らなかったり、再発の危険性が非常に高かったりするのが、デメリットです。 そのため、静脈を縛る場所を増やしたり、硬化療法と併用したりするなどして治療成績の向上を図りますが、それでも再発のリスクは相応にあります。



    手術療法はそれぞれにメリットと注意点があるため、 静脈瘤のタイプや患者さまの希望、生活習慣を考慮して、経験豊富な医師が皆さまの相談にのり、適切な治療を選択します。下肢静脈瘤の治療では、日帰りの手術も可能です。

    下肢静脈瘤専門外来

     
    午前
    10:30~12:30
    末廣 和長

    下肢静脈瘤専門外来は予約制です。
    ご予約・お問い合わせは「サポートセンター」へ

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    お問い合わせ
    0570-035320
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    0896-58-5350

    スタッフ紹介

    総合健診センター長
    消化器外科 医師
    末廣和長
    すえひろ かずなが
    総合健診センター長
    消化器外科 医師
    末廣和長
    すえひろ かずなが
    卒業年次
    昭和55年卒
    専門分野
    一般外科、消化器外科、血管外科、呼吸器外科
    学会認定・所属学会
    日本外科学会認定外科指導医
    日本消化器外科学会認定医
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