整形外科では、運動器の疾患を治療しています。当院は救急病院のため、救急外傷・骨折の症例が多いことが特徴です。このような患者さまは、受傷日から疼痛と機能障害を伴うため、できるだけ早い時期に手術を行い、リハビリに取り組むことで早期社会復帰を目指します。
一方、加齢に伴い発症する慢性疾患(特に変形性膝関節症、変形性股関節症や脊椎疾患)に対する診療も行っております。これらは、お薬やリハビリで治療を行いながらも症状が進行することがあり、日常生活が制限され、QOL(Quality of Life:生活の質)の低下に直結します。それぞれの患者さまの希望に対応し、ベストな時期に適切な治療法を選択していただけるよう心がけています。
以下の症状を認める方は是非一度受診して下さい。
・痛みの為、やりたいことに制限を有する
・階段の昇り降りがつらい、正座が困難
・足の付け根の痛みがある
・歩くと足がしびれてきて歩きづらい
・ボタンかけや箸で食べ物をつまむなど、細かい動作がしづらい
・夜間トイレに行く回数が異常に多い(1晩で3回以上)
・首や腰が痛い
・肩が上がらない(五十肩)
・膝が痛い(サプリメントを飲んでも効果が無い)
歳をとっても健康で自分らしい生活を送るためには、「自分のあしで立てること・歩けること」が非常に重要です。
厚生労働省の調査では、介護が必要となった主な原因の約3割が、骨や筋肉、脊椎などの運動器の疾患によるという結果が出ています。(右図)
立てなくなる/歩けなくなる原因には様々なものがあります。例えば、下の図のような症状・疾患は整形外科で扱うものの一部ですが、これらは適切な処置で症状が改善する場合があります。当院ではこれらの疾患に対し、多職種/大学病院/IHG(石川ヘルスケアグループ)が連携して対応することで、予防からリハビリまでを地域の中で完結できる体制を整えています。「もう歳だから…」と諦めて我慢せず、一度整形外科を受診してみてください。
HITO病院・石川ヘルスケアグループ(IHG)でできること
高齢になるほど運動機能は低下し、立つことや歩くことが難しくなります(ロコモティブシンドローム)。立つ・歩くといった動作は、自分らしく生きるために重要な動作であり、生活の質に直結します。一番大切なのは、病気になる前に予防することです。当院では専門職によるロコモ教室を年に6回開催したり、四国中央市から委託を受けて介護予防教室を開催するなど、元気に動けるための運動のコツをお伝えしています。
また骨粗鬆症専門外来では、骨を強くする治療を行うことで骨折を予防します。
当院には愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療再生学講座のサテライトセンターが設置されており、整形外科医2名と脳神経外科医1名が愛媛大学より派遣され、診療や手術を行っています。
また院内に人工関節センターを組織しており、ナビゲーションシステムや術中CT等の機器を用いて膝・股・肩の人工関節手術を行っています。
治療や手術のために市外・県外へ通院せずとも、地域の方が地域の中で専門的な治療を受けられる体制を整えています。
また、手術は必要ではないけれど、投薬などの保存療法で痛みが抑えられなくなってきた方を対象に、2020年5月より「再生医療」を開始しました。詳しくは以下のボタンより、再生医療のページをご覧ください。
≫手術をせずに痛みを取る「再生医療」
当院では、手術後すぐの急性期の段階からリハビリを行うことで早期回復を目指しています。回復期リハビリテーション病棟では、多職種が連携しながら365日体制で個別のリハビリテーションを行っています。
他にも患者さんの状態に応じて、書道や鉢植えなどの作業を通して行う集団リハビリや、装着型サイボーグを用いたロボットリハビリテーションも積極的に実施しており、在宅復帰につなげています。
退院後も安心して生活が送れるよう、社会福祉士が患者さんやご家族と相談しながら退院調整を行います。石川ヘルスケアグループの通所リハビリ・訪問リハビリなどのサービスをご利用いただくこともでき、継続して在宅生活をサポートできる体制を整えています。また、栄養管理や薬剤管理、機能回復の状況等について、入院中に特に注意を要した患者さんについては、HITO病院の多職種による退院後訪問も行っています。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | 石丸 泰光 | 中須賀 允紀 | – | 中須賀 允紀 | 石丸 泰光 | – |