子宮脱

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子宮脱

骨盤臓器脱は子宮、膀胱、直腸などが本来の位置から下がって膣から飛び出し股間部に挟まれる疾患です(図1)。骨盤臓器脱はきわめて日常的にみられる女性の疾患で、お産を経験された女性の約半数が、生涯のうちに何らかの形の骨盤臓器脱を生じるとされるほど多い疾患です。決して命取りになるようなものではありませんが、たとえ症状があって困っていても、羞恥心などから受診されず一人悩んでおられる女性が非常に多いと考えられます。排尿困難や尿失禁などを伴うことも多く、生活の質を落とします。
これらは治療で治る場合も多いので、ひとときの恥ずかしさもありますが、今後の一生を思って受診をお勧めします。




原因

骨盤内の臓器(膀胱、子宮、直腸)は骨盤底筋群という筋肉が骨盤内にハンモック状に張られていて、これらにより落ちないように支えられています。 またこの骨盤底筋群が収縮することによって、尿道や膣そして直腸が締まり尿や便が漏れない仕組みになっています。
出産や加齢、肥満によって骨盤底筋群が傷ついたり緩む(骨盤底障害)と、尿や便が漏れてきます(排尿・排便障害)。 さらに、支えを失った骨盤内臓器が産道、つまり膣をめがけて落ちてくることがあります。これが子宮脱などの骨盤臓器脱(性器脱)です。

18歳を迎えてなお初経がない場合は、「原発性無月経」といいます。性染色体の異常や生まれつき膣や子宮、卵巣などの性器がない場合、 女性ホルモンの分泌をコントロールする脳の視床下部や脳下垂体、卵巣の働きの異常などいろいろな理由が考えられます。時には、処女膜や膣が閉鎖していて月経血が外に排出されないために、一見無月経のようにみえることもあります。


診察の流れ

受診前にいつごろからどのような症状があったのか、妊娠・出産歴、服用薬、既往歴といったものを簡単にまとめておくのがよいでしょう。
問診が終わったら腎臓や骨盤内(膀胱や子宮、卵巣など)の超音波検査を行います。 これは脱によって尿道も下方に引っぱられ、尿の通過が悪くなることがあるので尿路を事前にチェックするものです。
またこの検査で膀胱や子宮の異常の有無、骨盤内腫瘤性病変の有無などもわかります。超音波検査ですから痛みはまったくありません。

次いで検尿と内診を行います。出産の時と同じ体位で診察しますが、これも痛みを伴うようなことはありません。
内診とともにスペキュラムと呼ばれる器械を膣内に挿入し、どの部位がどのように下がっているのかを調べます。このとき咳をしたり、いきんでもらいます。 膀胱の出口や尿道がゆるくなっていないかも確認します。これらの診察が診断には最も重要で、その女性の骨盤臓器脱について、重症度や対処法などほぼ判明します。

このようにして初診時に骨盤臓器脱の重症度や治療方針はほぼ決定されます。 初診時に手術による治療が必要かも知れないと判断された場合、さらにいくつかの検査が行われます。
次回受診時までに、排尿記録を何日分かつけてきてもらい再診時に持参してもらいます。この記録とともに、残尿検査などを行い、排尿障害の有無を評価します。

以上のような検査で手術以外の方法も考慮しながら最適の治療をご相談していきたいと思っています。
また手術適応となれば、手術前の一般検査(採血、胸部レントゲン、心電図、呼吸検査など)を行い、麻酔が可能かどうか麻酔科の医師による診察を受けます。 最後に手術に関する詳細な説明を行います。

婦人科で取り扱う病気



外来診察担当表

婦人科

 
午前
9:30~11:30
午後
13:30~16:30
小川 晴幾
小川 晴幾
小川 晴幾
小川 晴幾
小川 晴幾
小川 晴幾
小川 晴幾

スタッフ紹介

婦人科 部長
小川晴幾
おがわ はるき
婦人科 部長
小川晴幾
おがわ はるき
卒業年次
昭和57年卒業
専門分野
産婦人科一般
学会認定・所属学会
日本産婦人科学会専門医
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私は、婦人科腫瘍を専門としておりますが、産科や骨盤臓器脱なども診療して参りましたので、 広い範囲にわたって婦人科疾患を経験しております。気軽に私の外来を受診してみてください。
婦人科では、子供から老人までのすべての女性のデリケートな内容を扱いますので、そのことに配慮しながら診察を行います。