市民の皆様が住み慣れた町で、健康に暮らしていくために、「いきるを支える」未来を創り出すために『未来創出HITOプロジェクト』を実施しています。
プロジェクトでは、「HITO」の視点を踏まえてICT(情報通信技術)の利活用を推進し、医療の質と業務効率の向上を図るプロジェクトです。
平成28年3月の産業競争力会議の資料でも「医療情報の標準化や共通ICTインフラを整備し、医療の質と効率性の向上を図ることで、
世界に誇る保健医療水準を維持するとともに、健康で安心して暮らせる社会を実現する。」とされており、厚生労働省も医療におけるICT化を推進しております。
膝が痛くて歩けない場合は、整形外科や人工関節センターを直接受診したり、かかりつけ医より紹介されたりしますが、痛い部位や動きにくい部位が特定できないけれど歩けない場合もあり、脳なのか脊髄なのか末梢神経、筋、下肢の循環不全…など、歩行障害の原因が特定し難い場合もあります。
そこで、「歩行」という誰もがわかる機能に着目した、わかりやすい名称とし、当院の診療機能を統合して歩行機能の回復を目指すセンターを開設しました。
また、退院後に歩行機能を低下させないことや歩行機能障害の予防が重要と考え、ロコモ教室を開催しています。けがや転倒を防止し、楽しく歩く習慣を身につけることを目的に、スマートフットウェアを活用したり、自宅で直接セラピストが指導できない状況においても自分の歩容がわかるようIoT(コンピュータなどの情報通信機器以外の様々な物に通信機能を持たせ、自動認識や制御、遠隔計測などを行うこと。)の活用にも取り組んでいます。
まず、総合診療医により、的確な診断を行い、専門領域での治療を多職種と連携して進めていきます。急性期治療はもちろん、 当院での回復期リハビリテーションや生活期にもわたる一貫した支援に取り組んでいきます。
「HAL®医療用下肢タイプ」とは、緩徐進行性の神経・筋疾患の進行抑制治療において、歩行機能の改善効果が示された新たな医療機器です。
ロコモは筋肉、骨、関節、などの運動器に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態をいいます。進行すると日常生活にも支障が生じます。
運動器を長持ちさせ、いつまでも元気に歩き続けていけるよう「ロコモ教室」を開催しており、専門医やリハビリスタッフと一緒に運動したり、ロコモについて学び、ロコモを予防する教室です。
スマートフットウェア「Orphe」(以下、Orphe)は、歩くと音や光が出るスマートフットウェアです。スマートフォンなどと連動し、足の動きに合わせて出る「音」や「光」で楽しく歩くを実現します。楽しく歩くことで、リハビリなどに意欲的に取り組め、さらなる健康増進につながります。
また「Orphe」には、9軸センサーが内蔵されており、歩行データがリアルタイムに収集できます。足のどこに重心が掛かっているか、足の運びがふらついていないかなど、自分の歩き方を知ることで、関節の負担を軽減し、ケガや骨折などから引き起こる歩行障害を予防する可能性があります。
統合型歩行機能回復センターは、予約制となっており、予約は「サポートセンター」にて受付けております。
「統合型歩行機能回復センターの受診予約」とお伝えください。
診療日時:月~金 14時~16時
外来予約センター
0570-032226(直通)
※当院調べ2016年12月時点
2016年12月より医師全員がApple社のデバイス「iPad」を持ち、シスコシステムズ(世界最大のネットワーク機器開発会社)のWi-Fiネットワークを活用し、最適化(セキュリティ強化や負荷分散による途切れない通信化)をした上で実臨床データ検索アプリを診療の現場にて活用開始しました。
導入の背景として、医療の様々な現場の中で、医師が院内を移動しながら診療する必要性が増したことから、どこでもつながるネットワーク環境の整備を行いました。
患者さまの高齢化が進み、疾病の慢性化や複合化の対応に、医師は専門外の知識も求められるようになったことから、診療ガイドラインや実臨床データをすぐに確認できる環境整備も急務となっていました。
病院の全医師が「iPad」を持ち、実臨床データを活用した診療を行うことは、国内初(※当院調べ)の事例であり、最新のICTを利用することでよりよい医療サービスを提供したいと考えています。実臨床データ検索アプリは、薬剤処方実績や入院後続発症の実態などの情報が確認できる医師を中心とした医療従事者向けの実臨床データ検索サービスです。医療従事者にとっては、薬剤を選択する際や処方説明の際の一助となります。
導入計画検討中のアプリの一つである学術専門電子書籍サービスを活用し、「iPad」で、診療ガイドラインや論文の検索が行えることで、より適切な医療を提供することが可能になると想定しています。
今後医師が持つ「iPad」には、よりよい医療サービスを提供するために必要なアプリケーションを検討・導入しながら、患者さまに質の高い医療サービスの創出に取り組んでいきます。
今までは、問診内容やカンファレンス(会議)・回診でのカルテ記載などを手で入力していましたが、話した内容がテキストデータに自動的に変換される株式会社アドバンスト・メディアの音声認識ソフト「AmiVoice®(アミボイス)」を試験運用しており、業務の効率化を図れるよう取り組んでいます。
音声認識ソフトによって、業務効率が向上し、今まで以上に診療や看護、介護などに時間をかけることができ、サービスレベルの向上につながることが期待できます。
当院では「未来創出HITOプロジェクト」にて、ICTのヘルスケア活用を推進しております。 今回、厚生労働省の提言する『保健医療2035』にて謳われている「ICTを活用した個人の健康管理促進」の一環として、患者さまがご自身の健康データをICTを活用してご自身で管理するお手伝いをさせていただくことを目的に、さる4月25日に外来総合カウンター横に「HITO|Bar」を開設いたしました。
昨今はスマートフォンの普及により、ICTを活用した個人の健康管理が大変身近になってきました。「HITO|Bar」では、当院が推奨する健康管理のスマホアプリと機器をご紹介し、ご希望があればアプリのインストールや設定、機器との接続を行ったり、活用方法をご説明いたします。
具体的には左ページにてご紹介している、血圧計や血糖測定器などのヘルスケアデバイスとスマートフォンを連動させることにより煩わしい結果の記録作業が不要になるとともに、検査結果がグラフで可視化されるようになります。
下記図のグラフは可視化の一例です。血圧計アプリでは、最高血圧-最低血圧と脈拍のデータが時系列に可視化されます。また、血糖測定器アプリでは、上部が体重、下部の折れ線が血糖値。縦棒が歩数計値となり、体重・血糖値・運動量が時系列で可視化されます。
オムロンヘルスケア株式会社の上腕式血圧計には、スマートフォン用の無料アプリ「OMRON connect(オムロン コネクト)」にデータを転送できる機器があります。データを転送することで、測定した毎日の血圧データをグラフで確認できるため、高血圧等で通院されている方は、そのデータをかかりつけ医に見てもらい、診察に活かすことができます。
アークレイ株式会社の血糖測定器では、スマートフォン用糖尿病管理アプリ「スマートe-SMBG」と連携することができ、血糖値の変動や食事、運動、服薬、体温、血圧などのデータを記録・グラフ化することができるため、日々の生活習慣が確認できます。
このように、日々の測定結果をデータとして自動的に取り込み、可視化すると、ご自身の健康状態を把握しやすくなるとともに、管理にも励みが出てくると思いませんか?
「HITO|Bar」では、その他にも愛媛県災害情報システムへの登録のお手伝いなどスマートフォン活用の取組支援も行う予定です。スマホをもっと便利に活用したい、ご自身の健康管理に活かしたい、こういったニーズに応えて参りたいと思いますので、ご興味のある方はぜひお気軽にお立ち寄りください。
月~金 10:00~12:00
場所:外来総合カウンター横
当院ではカテーテルを用いた血管内治療だけでなく、腹腔鏡手術、関節鏡を使用した手術を行い、患者さまの身体に負担の少ない低侵襲治療に取り組んで参りました。小さな傷での手術は、術後の痛みを軽減し、回復を早めることができますが、その反面、術野が狭く、高度な技術が必要です。
そこで、より安全に安心して手術を受けられるよう7月に最新鋭の移動式術中32列へリカルCT 「AIRO」 (BRAINLAB)を活用したナビゲーション手術が可能なオペ室を新設しました。高画質な術中CT画像は、術者に自信をもたらし、高度な技術が必要な低侵襲手術をサポートし、的確な手術に役立ちます。
術者のストレス軽減にも貢献できることが期待できます。これからの高齢社会に対して、低侵襲手術や術後早期からのリハビリテーションを提供し、健康長寿の実現に貢献したいと考えます。
近年、脳神経外科や整形外科の分野では、より低侵襲で、正確な手術を実施するためにナビゲーションシステムが導入されるようになりました。ナビゲーションで重要なのが正確な位置情報です。手術を受ける体位で撮影した画像を活用することで、術前に撮影した画像より精度が向上し、より質の高い手術を行うことができます。術中CT「AIRO」は手術台に完全対応しており、患者さまを動かさず撮影でき、正確な位置情報を得ることができます。また、径が107 cmと大型のボアサイズで、1回の撮影範囲が径50 ㎝×100 ㎝と大きいため、脊椎全体を観察でき、3D-Cアーム装置よりも骨や筋肉を鮮明に可視化できます。脳神経外科手術や脊椎手術、外傷外科手術での撮影に最適です。
脊椎手術においては、骨を削る際にドリル先端の位置情報がナビゲーション画像にリアルタイムで反映され、安全で最適な骨削除を目指す取り組みも始めました。この取り組みでは、神経損傷、関節損傷を防ぎ、運動機能の温存に寄与することが期待できます。
バルコ社の非圧縮画像伝送ソリューションNexxisが導入され、IPネットワークが構築されました。手術顕微鏡、内視鏡、ナビゲーション、エコー、神経モニタリング、※PACS、無影灯センターカメラ、生体モニタの情報が4K対応の手術室用31インチおよび58インチの天吊り型ディスプレイに選択表示でき、ナビゲーション画像はもちろん、統合された術中情報を近くで確認しながら、手術が可能です。今後、遠隔手術支援にも対応可能なオペ室としての機能を有しています。
※PACS:検査機器からの画像データを保管し、端末に表示するシステムです。