変形性膝関節症は関節の軟骨が損傷することで膝に痛みを生じる病気です。一般的に、症状が軽い時は運動・食事・鎮痛剤投与などで症状を緩和し、重度になってくると手術を行いますが、「人工関節手術をするほど軟骨は減っていないけれど、緩和治療では痛みが取れなくなってきた」という患者さんに対する有効な治療法として、今「再生医療(APS療法)」が注目されています。
欧州で実施された多施設共同ランダム化比較試験では、WOMAC(変形性関節症患者の状態を把握するために用いるアンケート)の中の痛みの指数について、生理食塩水注射後では時間経過とともに痛みがぶり返しているのに対し、APS注射後では効果の持続時間が長い結果となっています。
APSを1回注射したときの効果の持続時間
個人差はありますが、注射後1~3週間で効果が現れ始め、1度の注射で約6~12か月持続します。
再生医療は、欧州ではすでに治療法として承認されており、アメリカでも大規模な治験が実施されています。日本も保険認可に向けた検証が進められていますが、現在は医療保険の適用外となるため、自由診療で行うこととなります。医師から十分に説明を受け、納得の上で治療を受けるようにしてください。
Q.ASP療法で膝関節症は治りますか?
APS療法は関節の痛みや炎症を改善することを目的とした治療です。膝関節症そのものを治すことはできませんが、炎症を抑えることで膝関節の環境や軟骨破壊の悪化を防ぐことができます。
Q.APS療法による痛みの改善効果はどのくらい続きますか?
人や症状によって変わりますが、海外の治療報告ではAPSを1回注入後、約12か月間続くことが報告されています。
Q.APS療法は安全ですか?どのように行いますか?
APS療法はご自身の血液を利用しているため、アレルギーは起こりにくい治療です。また、膝の切開等の手術は必要なく注射だけで終わるので、体への負担が少ない治療法です。
Q.治療後は通常通りに活動してよいでしょうか?
治療後14日間は活動レベルを最小限に、治療前より活発にしないことが推奨されます。負荷のかかるリハビなども、2週間後から再開できます。
Q.高齢ですが治療を受けられますか?
受けられます。体に負担の少ない治療なので、高齢でも治療を受けることができます。
ただし膝関節の破壊が進んでいる重度の方は年齢に関わりなく手術が適している場合もあるので、医師とよく相談することが大切です。
Q.なぜ自由診療なのですか?
APS療法は現在、米国で膝関節症の患者さんを対象として、有効性を確認する大規模な治験が始まっています。日本でも保険認可に向け検証が進められていますが、現在は健康保険が使用できず自由診療となります。
しかし、今現在つらい痛みを抱えて何とかしたいと考えている患者さんに、治療の選択肢を提供するために、当院ではこの治療を行っています。
APS療法 1回 ¥330,000円(税抜)
再生医療を受けたい方はまず当院の整形外科を受診し、医師に相談してください。当院の外来は完全予約制となっておりますので、まずはお電話にてお問合せをお願いいたします。
HITO病院HMSC(サポートセンター)
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