メニエール病は回転性めまい、難聴、耳鳴を症状とし、繰り返す事がある疾患です。特に50~60歳代の女性に多いと言われています。内リンパ水腫がその本態で、内耳の内リンパ液の過剰産生あるいは吸収障害により発症すると考えられています。めまい発作の誘引として精神的・肉体的疲労や睡眠不足などが言われています。
急性期には回転性めまい、低音域を中心とした難聴、耳鳴りを認めます。聴力は経過中に変動し、日によって聞こえ方が違うなどの症状を認めます。
神経学的検査ではめまいに関連する神経以外の障害はみられません。発作を繰り返しながら進行していくと、やがては難聴が残ることがあります。
聴力検査、眼振検査などで現在の症状を評価します。メニエル病の有無を調べるために、利尿薬を用いた前後で聴力を比較するフロセミドテストも行われます。
<薬物治療>
メニエル病に用いられる薬剤として、後めまい薬の他、漢方、利尿薬、抗不安薬、抗うつ薬なども用いられます。難聴が進行する場合にはステロイドを使用することもあります。
<生活指導>
めまい発作の背景には,ストレスが誘引として関与している場合が多く、ストレス源が明確な場合にはそれを取り除くようにします。特にめまい発作の後は仕事や日常生活での無理は避け,睡眠時間を十分にとる事が大切です。
<外科的治療>
保存的治療でめまい発作がコントロールできない場合に手術を行います。ただし、聴力は改善しません。
耳鼻科医の少ない地域では、内科や救急でめまいを診る機会も多く、頭部に異常のないめまい=メニエル病と診断されてしまう場合もあります。
メニエル病を放置するとやがては難聴が進行してしまうため、発症初期に適切な治療を受けることが大事です。
上記症状が見られた場合は一度耳鼻科で検査を受けることをお勧めします。