再生医療

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整形外科で行われている再生医療

整形外科では、痛みが生じた際に鎮痛剤などの薬物療法や注射、運動療法、装具療法、リハビリ療法などで症状緩和を行います。重度の症状がある場合は、⼿術療法となることがありますが、手術適応前の症状緩和を目的とした新たな選択肢として、「再生医療」が注目されています。再⽣医療の⽬的は、ケガや病気で損なわれたからだの機能を元通りに戻すために、人のからだの「再⽣する⼒」を使って、失った機能を取り戻す医療です。当院では、2021年度よりPRP(多血小板血漿)療法を行っております。

PRP療法について

PRP (Platelet Rich Plasma)療法は、多血小板血漿療法と言われ、患者さんの血液から血小板を抽出し、からだの痛んでいる部分に注入することで元々持っている修復力を引き出し、症状の改善を目指す治療法です。
血小板には血管が傷ついたときに血を固める働きと組織の修復力を促す効果を持つ成長因子※1を放出する働きがあります。それらの働きにより、組織の修復が早まり、治りにくい組織の修復や関節炎の症状が軽快することが期待されます。

変形性関節症などで痛みがでる病気やスポーツでの怪我による靭帯損傷などに対しては炎症を抑えたり、痛みを軽減する内服薬や注射、重症な場合は手術などが主に行われおります。アメリカでは、自分自身の治癒能力をサポートする治療法としてPRP治療が普及しており、日本でもスポーツチームを中心にサッカーのトッププロや、野球選手などにもPRP治療が実施されています。

※1成長因子:動物体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質の総称

PRP療法・APS療法の違い

APS療法は自己タンパク質溶液(Autologous Protein Solution, APS)のことで、「次世代PRP」とも呼ばれております。APSは、PRPからさらに炎症を抑えるのに有効なたんぱく質を高濃度に抽出したものです。PRPは主に筋・靭帯や腱などのダメージや壊れた関節の組織修復を促すことが期待されております。APSは関節の痛みや炎症などによる腫れなどの関節症治療に適しております。

PRP療法が対象となる症状の程度

PRP療法の対象疾患

PRP療法の費用

種類 部位 料金(税込)
PRP(GPSRⅢ) 筋・腱・靱帯・関節 132,000円
APS 関節 363,000円

原則的に診療に係る費用は含んでいます。定期受診(1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後)時のレントゲン検査等と鎮痛剤の処方以外の診療行為については、自費診療として費用をお支払いしていただきます。
※自費でのPRP治療をされた場合、関連する治療(経過観察やその後の投薬)は全て自費

再生医療は、欧州ではすでに治療法として承認されており、アメリカでも大規模な治験が実施されています。日本も保険認可に向けた検証が進められていますが、現在は医療保険の適用外となるため、自由診療で行うこととなります。医師から十分に説明を受け、納得の上で治療を受けるようにしてください。

PRP療法の治療の流れ


身体への負担が少なく、日帰りで治療ができます。
【治療における注意点】
・治療効果の持続期間には個人差があります。(GPSⅢ:6-12カ月程度、APS:最大24カ月程度)
・自由診療となり、健康保険など医療制度上の保険が適応されません。
・注射により数日間、一時的に炎症(痛み、熱感、赤み、腫れ)を伴うことがあります。
・採血部位/治療部位に皮下出血等が起こる場合があります。

再生医療(PRP療法)のメリット・デメリット

【再生医療(PRP療法)のメリット】

  • 痛みなどの症状が緩和される
  • 自分の血液から抽出した成分を使用するため、アレルギーや副作用が起こりにくい
  • 日帰りで治療でき、治療後すぐに帰宅できる
  • 手術は必要なく注射のみで実施できるため体への負担が少なく、治療痕も残りにくい
  • 繰り返し受けることができる
  • 運動器の大半に対応できる

【再生医療(PRP療法)のデメリット】
  • 病状の進行を遅らせ、痛みを緩和することはできるが、病気そのものを根本から治す治療ではない
  • 人によっては施術から数日間、痛みや腫れ、こわばりなどが起こることがある(アイシングで抑えます)
  • 投与した箇所や採血部に感染症が起こる可能性がある
  • 保険適用でないため治療費が高額となる(混合診療不可)

PRP療法の治療の適応外項目

お体の状態によっては、PRP療法を実施できない場合があります。心当たりのある項目をチェックしてみましょう。

  • がんと診断を受けたことがある
  • 抗がん剤、生物学的製剤または免疫抑制剤を使用している
  • 患部に細菌感染を伴っている
  • 心疾患、肺疾患、肝疾患、腎疾患、出血傾向、血液疾患、コントロール不良な糖尿病および高血圧症等を有する
  • 薬剤過敏症の既往歴がある
  • 血液感染症を患っている
  • 血液検査の結果、血小板数の異常がある
  • ステロイド剤を服用している

その他の注意事項

  • 中止が必要なお薬

普段飲んでいるお薬によっては、血液中に残っている成分がPRP療法の効果を低下させる可能性があります。お薬によっては、休薬(服薬を一時中断)を推奨させていただく場合がございます。その場合は医師がご説明します。


  • 成分を抽出できない可能性

採取した血液の状態によっては、成分を抽出できない可能性があり、再度採血が必要となる場合も考えられます。


  • 使用器材の汚染や破損

PRP療法に必要な設備の法定基準をクリアしており、厳格な基準を設け、専門スタッフが血液や器材を清潔に取り扱う体制を確保しています。しかし、機器の予期せぬ不具合等により、汚染や破損が発生し、実施が延期・中止される場合も考えられます。


  • 穿刺部の感染について

針を刺した箇所に出血や感染の可能性があります。ただし、出血や感染の危険性はPRP療法に限らず、注射針を刺す医療行為全般に共通するリスクです。


  • リハビリテーションについて

PRP療法実施部位のリハビリテーションは、血液感染症検査日から、最長で6ヶ月間の定期診察終了まで、保険適用外(自費診療)となる場合があります。そのため、当院ではリハビリテーションを希望される患者さんに向けて、オプション制(保険適用外(自費診療))にて提供しております。ご希望の場合には、主治医にご相談ください。

PRP療法の適応に対する当院の指針

PRP療法は、まだ新しい治療法のため、今後、治療実績や研究が進むにしたがって、新たなメリットやデメリットがわかることがあります。そのため当院では、従来の治療法を十分に試み、症状が改善しないもしくは症状の再燃を繰り返す患者さんに対して、選択肢の一つとしてPRP療法があるというように考えております。
なお、PRP療法は、再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する内容を定めた、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律 (2014 年 11月 25 日施行)」を遵守して行います。また、上記法律に従い、認定再生医療等委員会(安全未来特定認定再生医療等委員会 認定番号: NA8160006)の意見を聴いた上、再生医療等提供計画(計画番号:PB6200001)を厚生労働大臣に提出しています。

よくあるご質問

+Q1:PRP療法による痛みの改善効果はどのくらい続きますか?

症状によって個人差がありますが、海外の治療報告ではPRPを1回注入後1~3週間で効果が現れ始め、約6~12か月間続くことが報告されています。

+Q2:PRP療法は安全ですか?どのように行いますか?

PRP療法はご自身の血液を利用しているため、アレルギーは起こりにくい治療です。また、膝の切開等の手術は必要なく注射だけで終わるので、体への負担が少ない治療法です。

+Q3:治療後は通常通りに活動してよいでしょうか?

治療後14日間は活動レベルを最小限に、治療前より活発にしないことが推奨されます。負荷のかかるリハビリなども、2週間後から再開できます。

+Q4:高齢ですが治療を受けられますか?

受けられます。体に負担の少ない治療なので、高齢でも治療を受けることができます。ただし病状が重度の方は年齢に関わりなく手術が適している場合もあるため、医師とよく相談することが大切です。

+Q5:PRP療法で膝関節症は治りますか?

PRP療法は関節の痛みや炎症を改善することを目的とした治療です。膝関節症そのものを治すことはできませんが、炎症を抑えることで膝関節の環境や軟骨破壊の悪化を防ぐことができます。

+Q6:なぜ自由診療なのですか?

PRP療法は現在、米国で膝関節症の患者さんを対象として、有効性を確認する大規模な治験が始まっています。日本でも保険認可に向け検証が進められていますが、現在は健康保険が使用できず自由診療となります。しかし、今現在つらい痛みを抱えて何とかしたいと考えている患者さんに治療の選択肢を提供するために、当院ではこの治療を行っています。

お問合せ

再生医療を受けたい方はまず当院の整形外科を受診し、医師に相談してください。当院の外来は完全予約制となっておりますので、まずはお電話にてお問合せをお願いいたします。

サポートセンター

お電話での
お問い合わせ
0570-035320
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