骨の強度が低下して、骨折するリスクが大きくなる病気を骨粗鬆症(こつそしょうしょう)といいます。
骨粗鬆症になると、背が低くなったり、背中や腰が曲がったり、骨の中がスカスカになってもろくなり、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。
骨は、古い骨を壊して(骨吸収)、そこに新しい骨を作る(骨形成)、常にリモデリングというサイクルが起こっています。そのバランスが崩れることで、骨粗鬆症となります。
骨粗鬆症により骨折しやすい部位は、背骨(脊椎椎体)、脚の付け根(大腿骨近位部)、手首(橈骨:とうこつ)、腕の付け根(上腕骨)などです。
背骨が尻もちや体の重みで押し潰されてしまうことを「圧迫骨折」と言い、背中や腰が曲がるなどの原因となります。圧迫骨折が生じても、単なる腰痛として見過ごしていたり、痛みを感じない場合もあります。1ヵ所骨折すると、その周囲の骨にも負担がかかり、連鎖的な骨折につながりやすいため、早期発見・早期治療と治療継続が重要です。
転倒することで脚の付け根が骨折することを「大腿骨近位部骨折」と言い、骨折すると歩行が困難になり要介護状態になるリスクが高くなります。大腿骨近位部骨折の85%は転倒が直接の原因となっているため、骨粗鬆症の治療とともに転倒予防も重要になっていきます。
骨粗鬆症治療の目的は、骨強度を高めて骨折を防ぎ、QOL(生活の質)を保つことです。 骨量(骨密度)の減少具合によりますが、主な治療方法は薬物治療で、食事療法と運動を並行して行います。
現在使われている薬は2つに大別できます。
リエゾンとは、フランス語で連携や連絡という意味です。医師や看護師だけでなく、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、放射線技師、社会福祉士など多くの専門職がチームになって治療のサポートを行うことをリエゾンサービスといいます。
目的は、最初の骨折への対応及び骨折リスク評価と、新たな骨折の防止、また最初の脆弱性骨折の予防です。サービスの提供対象は大腿骨近位部骨折、その他の脆弱性骨折、骨折リスクの高い方や転倒リスクの高い方など高齢者一般です。
2014年9月に骨粗鬆症チームを立ち上げ、同年12月より活動を継続しています。
チームメンバーは、医師、看護師、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士、臨床支援士が主体となって活動しています。理学療法士1名が骨粗鬆症リエゾンマネージャーとして在籍しています。
活動内容は、大腿骨近位部骨折の患者さんを対象として多職種が再骨折予防手帳を元に2次骨折予防、術後のリハビリ~退院までの指導・介入を行っています。退院後も1年目、2年目、3年目と電話連絡による治療継続状況について調査を実施しています。
※骨粗鬆症リエゾンマネージャー:骨粗鬆症診療支援コーディネーターの役割を担い、骨粗鬆症に関する知識を有するメディカルスタッフで資格認定試験に合格した者。
骨粗鬆症専門外来は予約制です。
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