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自分らしく生ききるために、人生の最終段階を考える


最期のことはいつ考える?

 「人生の最終段階」と聞いて、どのような状態を想像されるでしょうか。
 医療・介護業界では、がんなどの病気や老衰によって肉体が死に近づいている状態のことを「終末期」という用語で説明しています。終末期の段階では、意識が朦朧としていたり、人工呼吸器等の装着や認知症によって意思の疎通が難しい方も多くなります。その結果、本人が最後の時をどのように迎えたいかが分からないまま、望まない治療や延命が行われることも少なくありませんでした。
 近年では、「終末期」よりも前に、患者さん本人の判断に基づいて「人生の最終段階」を見定め、亡くなる瞬間までその人らしい生を全うできるよう、治療や生活、家族も含めて支えていく必要性が認知されてきました。いつを人生の最終段階と捉えるかは、その人の歩んできた道のりや価値観、人生観、死生観によって異なります。そのため、年単位の余命が想定される場合や、別の治療を行えばより長く生きられるという場合でも、本人の考え方と判断次第ではその時点が人生の最終段階になり得ます。



生ききるためのケア

 人生の最終段階で、患者さん本人が望むような生き方を実現するためには、医療・介護従事者が患者さんやご家族を支援することがとても大切です。
具体的には、右の図のような支援を行います。
 このような関わりの中で、その人らしく生ききることを手助けし、また遺される家族のことも支えていきます。



「人生会議」をしてみましょう

 「人生会議」とは、お墓の準備や相続に関する決め事などをあらかじめ行う一般的な「終活」とは別に、人生の最後の期間に右図のような事柄をどうするかあらかじめ計画し、話し合っておくことをいいます。
 患者さんやご家族の多くは、「縁起でもない」と言って、亡くなり方や看取り方などについての具体的な事柄について、考えたり共有したりする機会をあまり持っておられません。しかし患者さんご本人が意思表示できる間に、かかりつけ医などとも相談しながらしっかり将来のことを考え、家族や友人などの信頼できる人と話し合っておくことで、人生の終わりの時期をより安楽な環境で過ごすことができ、また遺された家族の心を軽くすることにも繋がります。



最期のことはいつ考える?

  人生の最終段階は人によってそれぞれですから、それを支えるケアを行うのは、病院だけとは限りません。
 施設の介護職や、訪問看護のスタッフ、ケアマネジャーなど、医療・介護の現場で看取りに関わるあらゆる職種が、人生の最終段階におけるケアについて理解を深め、相互に連携して支える必要があります。
 当院では12月より、緩和ケア内科の大坂医師を中心に、「生と死を支える会」を発足しました。緩和ケアや看取りに関わる医療・介護従事者が、人生の終わりに寄り添うケアを学び、正しく理解することで、地域全体で質の高いケアを提供出来る体制を整えていくことを目的に、次のような活動を行っていく予定です。

①IHG医療・介護従事者の教育・啓発
②一般市民の方への啓発活動(講演会)
③医療圏内での連携推進(合同研修会)


 まず2020年は、IHGの各施設におけるケアの提供体制の均てん化を第一目標に、勉強会や当院のスタッフによる出張アドバイスを行う予定です。今後は地域の皆様に対しても定期的に講演会を開催し、必ず訪れる人生の終わりについて、家族やかかりつけ医と対話し、考えるきっかけを提供していきたいと思っております。
 「この町で暮らしていれば、家にいても、どの病院や施設にいても、安心して自分らしく生を全うできる。」
 四国中央市をそんな地域にすることができるよう、身近なところから一歩ずつ活動を行って参ります。

   

スタッフ紹介

緩和ケア内科 部長
大坂
おおさか いわお
緩和ケア内科 部長
大坂
おおさか いわお
卒業年次
平成7年卒
専門分野
緩和医療
学会認定・所属学会
日本緩和医療学会専門医・指導医
日本ユマニチュード学会
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