歯科では、入院患者さまの口腔ケア(特に脳卒中・肺炎で入院されている方)や周術期の口腔ケア、抗がん剤治療における口腔機能管理を行います。 口腔管理を行うことで、合併症の予防や抗がん剤治療における口腔内有害事象に備え、早期退院に向けた支援を行います。
また、摂食機能訓練を行い、咀嚼機能を維持することで健康に繋げて参ります。
口腔ケアは、なぜ大切なのでしょうか?それは次のようなことのために大切だと考えられています。
細菌の塊である歯垢は、むし歯や歯周病の直接的な危険因子であると同時に、全身疾患を引き起こす菌の温床としての役割を果たす可能性が高いのです。口の中の細菌が関与すると考えられる代表的な全身疾患としては、
などがあります。
高齢者は、健康な人にとっては病原体とはいえないような細菌によって、日和見感染症(ひよりみかんせんしょう:抵抗力が弱かったため、 普通は病原性を示さない菌による感染症)、感染性心内膜炎や誤嚥性肺炎に陥ることがありますが、口腔ケアを行えばこれらの疾患を予防できることが分かってきました。
つまり口腔ケアは、単に歯や歯ぐきのためだけではなく、生活援助に加えて全身疾患の予防など、生命の維持・増進に直結したケアでもあります。
日本人の死因としては、4位となっている肺炎。その多くは、誤嚥性肺炎といわれ、お年寄りの死亡原因としても上位にあげられています。 誤嚥性肺炎の原因のひとつは、口腔内の細菌が誤って肺に入ってしまうことです。 このため、口腔を清潔に保ち、口のなかの細菌を減らすことが、誤嚥性肺炎の予防に有効であることが分かってきました。