新型コロナウイルス感染症の勢いはいまだにおさまらず、医療提供体制の逼迫や経済活動の停滞など、社会全体に影響を及ぼしています。そんな中でも、私たち医療従事者は病院機能を維持し、良質な医療を提供するという責務を果たさなくてはなりません。
当院の使命である2次救急病院としての役割や、専門性の高い治療体制の整備などに加え、特に昨年は感染症患者の診療、感染病床の開床、コロナワクチンの接種なども行いました。そうした中、2021年9月には愛媛県救急医療功労者知事表彰を受けることができました。地域の救急医療を守る身として、表彰されたことは誠に嬉しく、スタッフ一同励みになりました。
これもひとえに地域住民の皆さまや、地域の医療機関、企業、行政の皆さまのご理解とご協力、ご支援があったからこそです。心より感謝申し上げます。
今後も地域との連携を更に強化し、地域になくてはならない病院として、誰からも選ばれ、信頼される病院を目指して、職員一同、精進してまいります。今後ともご指導とご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
日本で新型コロナウイルス感染症患者が公表されてから約2年が経った今もなお、感染症がもたらす不安と混乱が世界中を駆け巡り、社会環境や価値観の変容が一気に加速し、病院においても常に変化に対応することが求められています。特に、昨年7月オリンピック開催後の第5波襲来時には、市内においても感染者が急増し、急遽、感染対応病床を増床し、感染症患者を積極的に受け入れました。同時に、二次救急病院としての使命も並行して果たすため、スタッフ一丸となって感染対策を行いながら、対応してまいりました。そして、2022年3月1日付で第二種感染症指定医療機関として愛媛県より指定を受けました。今後も感染症への対応を含め、地域医療の継続のために尽力してまいりたいと思います。
今年度も8名の新任医師を迎え、特に当圏域において不在であった常勤の泌尿器科医師が新たに愛媛大学からの派遣により着任となりました。また2024年から実走となる「医師の働き方改革」への対応に向けて、病院総合医による病棟マネジメント体制を構築し、専門医が手術や治療に専念できる環境を整備するとともに、より質の高い患者さま中心のチーム医療の提供を目指します。
さらには、超高齢社会の進展を見据え、高い知識技術を持ち、医師に代わって医療行為ができ、迅速かつ的確な医療の提供とチーム医療の推進を目的として、2015年10月から看護師特定行為研修制度が開始されました。当院においても、昨年8月に指定医療機関の認定を受け、「看護師特定行為研修センター」を設置し、この春から研修がスタートします。特定行為研修を受講することで、医師があらかじめ作成した手順書(指示)によって、看護師がタイムリーに特定領域の医療行為を実施できるようになるため、患者さんはより適切なタイミングで処置を受けることができ、早期治療・早期回復に繋がることが期待されています。当院における多職種協働チーム医療の中で、専門的な知識と判断力、実践力を備えた地域の中で活躍できる特定看護師の養成を目指す所存です。
2025年を目指した地域医療構想の実現に向けて、今後は外来医療においても各医療機関それぞれの特徴を活かした役割分担や連携強化が求められています。当院では、救急医療を含め、専門医による専門性の高い医療機能を有し、高度医療機器や各種検査機器など、地域の先生方に当院の機能を広く活用していただき、相互連携を深め、より質の高い医療サービスの提供を目指していきたいと思います。皆様のご理解とご協力の程、よろしくお願いいたします。
既存の価値観や経験値だけでは乗り越えることが難しい時代だからこそ、様々なアイデアや新たなチャンスが生まれると考えています。その時代、その世代にあった価値を自らで創り出すことが必要です。HITO病院として10年目を迎える今こそ、互いに信頼し、失敗を恐れない組織風土を醸成し、Trustを中心に新たな一歩を踏み出し、経営理念である「HITOを中心に社会に貢献する」を体現できるよう、職員一同、一丸となって精進してまいります。今年度も何卒よろしくお願いいたします。