頭頚部領域の悪性腫瘍

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耳鼻科で診療する頭頚部がんは、聞く、嗅ぐ、味わう、飲み込む、呼吸するなどの機能と密接な関係があり、日常生活への様々な影響が懸念されます。ここでは頭頚部がん診療に関わる大まかな流れを説明します。




頭頸部がん診療の流れ

①がんかどうかの確認

まず、がん診療に関して最も大切なことはその病気が本当にがんなのかどうか、ということです。
当たり前のことかもしれませんが、抗がん剤や放射線などの体に大きな負担がかかる治療を行うには、確実にがん細胞がそこにあるという証拠が必要です。
それには細胞を採取して顕微鏡でがん細胞を証明する病理検査を行います。検査の結果が出るには一週間程度かかり、上手く細胞が取れなかった場合には再検査を行うこともあります。
待っている間、本人としてはやきもきするかもしれませんが、がん診療の上で避けては通れない大切な検査です。



②進行度の確認

がん細胞があると分かれば次に進行度を調べます。
進行度の評価には大きく分けてがんそのものの大きさ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無が必要になります。これには造影剤を使ったCTやMRI検査が有用です。
近年ではがん細胞がある部分が画像で光るようなPETCTという検査も行われています。




③他の臓器の確認

頭頚部がんの多くは飲酒や喫煙との関連が証明されており、他の臓器にもがんが隠れていることがあります。
そのため、必要に応じて胃カメラなどで重複がんの有無を確認します。



④治療

がんの診断と病期がはっきりした段階で治療に移ります。治療の三本柱としては【手術】、【抗がん剤】、【放射線】があり、それぞれに長所短所があります。
最近はこれらに加え分子標的治療薬も用いられるようになってきました。患者さんの状態によってこれらを単独、あるいは複数組み合わせながら治療を進めていきます。

がんを疑う症状

頭頚部がんで見られる症状には以下のようなものがあります。一時的ではなくずっと症状が続くことが多いです。
※あくまでも一般論ですので、必ずこの通りの症状が起こるわけではありません!


【声がかすれる】:喉頭がんで声帯に腫瘍ができているときや咽頭がんで声帯が麻痺をおこした時に声がかすれます。
【のどの違和感、息苦しさ、飲み込みにくさ】:腫瘍が息や食べ物の通り道を邪魔することで症状が出ます。
【首にしこりができる】:がん細胞がリンパの流れに沿って移動して、首のリンパ節が腫れることがあります。
【鼻血を繰り返す】:副鼻腔や鼻の中にできるがんでは鼻血を繰り返すことがあります。

アドバイス

一昔前までは、がん=不治の病 というイメージが強かったかと思いますが、近年は医療技術の進歩により生存率も向上してきました。適切な治療を受けて職場復帰される患者さんも大勢います。しかし今も昔も早期発見・早期治療が大切なのは言うまでもありません。前述のような症状が続く場合には一度耳鼻科で診察を受けてみましょう。