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昨年は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって私たちの生活は一変しました。4月から5月にかけては、全国での緊急事態宣言発令に伴い、外出や人との接触を自粛せざるを得ない環境の中、病院への通院に対する不安の声も多くいただきました。さらに年明けからの第3波襲来に加えて、現在も変異株の感染拡大が懸念される中、当院でも発熱外来の開設に始まり、院内感染防止対策の徹底を図りながら、救急医療をはじめとする地域医療継続のため、職員一丸となって対応してまいりました。
感染拡大時には、県内、感染患者受入病床の逼迫、さらには、認知症高齢者が新型コロナウイルスに罹患した場合の対応は、極めて難しい状況にあることから、当院においても急遽、感染症患者の受入を開始しました。
また、当院では、以前より導入していたICTを積極的に活用し、オンライン診療を開始し、非接触での体調確認やCO2濃度モニタリングも参考に、密回避対策等を実施し、皆さまに継続して安心した医療を提供できるよう院内感染防止に努めてきました。病棟での面会制限に伴い、オンラインによる面会や病状説明にご協力いただいた利用者の皆様にお礼を申し上げます。
今年度4月からは、当院が果たすべき役割を強化するため、新たに「心・脳血管疾患センター」を開設いたしました。2018年12月、「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(脳卒中・循環器病対策基本法)が成立し、寝たきりなど重度の要介護の原因となる脳卒中や心筋梗塞などの循環器病の予防推進と、迅速かつ適切な治療体制の整備が求められています。いかに早く発見し、迅速な治療を行い、その後の回復期治療やリハビリテーション、生活期まで切れ目なく適切な医療を提供できるかといったことが重要となります。センター化によって、専門性の高い治療体制を整備するとともに、多職種協働のチーム医療を実践し、より早く在宅に復帰できる診療の提供を目指していきます。
また、今後、高齢化が急速に進む宇摩医療圏へ質の高い医療を提供し続けることが課題となります。そのため、当院では、新たに香川大学と連携して「肝・胆・膵内科学先端医療学講座」を立ち上げ、肝・胆・膵の消化器疾患を中心に専門性を強化するとともに、最先端の医療の提供を目指していきます。今後も引き続き救急医療、高齢社会に対応する医療の提供体制の整備を進め地域の医療・行政機関と協同し対応してまいります。
今後もスタッフ一同、地域住民の「いきるを支える」安心・安全な医療を提供できるよう精進してまいります。今年度も何卒よろしくお願いいたします。
このたび、新たに心・脳血管疾患センターを開設いたしました。
これにより、発症後超急性期の血管内治療からリハビリ、再発予防のための薬物治療・生活指導へとシームレスにより質の高い医療を提供することが可能になりました。
心疾患と脳血管疾患を合わせた「心・脳血管疾患」はがんに次いで日本人の死因第2位であり、高齢人口が益々増加する社会において一層その診療体制整備が重要となっています。国においても2018年12月に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」が制定され診療体制の整備が進められているところです。当院の強みである24時間体制での急性期治療から回復期リハビリテーションに至るまでのチーム医療を最大限に生かし、皆様の”健康寿命の延伸”を支えてゆく所存です。